公開日:|更新日:
生地を選ぶうえで重要なポイントや素材の種類、そして生地見本についてくるネームタグの見方などをご紹介します。あらかじめポイントを知っておくだけでもスーツ選びが楽しくスムーズにいくのでご参考にしてみてください。
いざオーダースーツをつくろうとしたとき、生地の種類の多さに驚かされることも多いはず。ここではそんな生地選びのポイントについてご紹介します。
まず、生地を選ぶうえで欠かせないのが「光沢感」、「軽さ」、「しなやかさ」の3種類です。素材にもよりますが、生地の表面にうっすらと光沢感が生まれると高級感を演出することができ、光を吸収して濃厚に見えると重厚感が増します。光沢感があまり強すぎると今度は軽薄な印象になりますのでご注意ください。
次にスーツの着心地を左右するのが「軽さ」です。あまり重たい生地だと毎日袖を通すスーツには不向きで、適度な軽さと柔らかさを持つ生地であればストレスを感じずに着用することができます。
最後に重要なのが「しなやかさ」です。体を動かすときに生地も一緒に動いてくれる伸縮性を持つことが重要で、体に追随するようなしなやかさを持つ生地は、長時間着用していても疲れることがありません。出張などで飛行機や電車に長時間座っているときには、このしなやかさが重要な要素になってきます。
スーツの生地に使われる代表的な素材は「ウール」を筆頭に「シルク」や「カシミヤ」、さらに「ポリエステル」などが挙げられます。
ウールは最もスーツに使われることの多い素材で、羊毛が原材料となっています。ウールは糸の紡ぎ方によって「梳毛」と「紡毛」に分類することができ、梳毛は繊維長の長い羊毛を紡績機を使って紡ぎ、美しい光沢感や高級感が生まれます。一方の紡毛は繊維長の短い羊毛を手作業で紡いで糸にしたもので、温かみのある風合いと軽さが特徴です。
そんな羊毛にブレンドされることが多いシルクは、蚕の繭から取れる天然繊維でその主成分はタンパク質。美しい光沢感と滑らかな肌触りを持ち、天然繊維なので静電気が起きにくいのが特徴ですが、とてもデリケートなため取り扱いが難しく、シルク100%の生地は驚くほど値段も張ります。そのためシルクはウールなど他素材と混紡して使われることが多くなっています。
シルクと同様に希少価値が高いのが「カシミヤ」です。山岳地帯に生息するヤギから採れるカシミヤは、柔軟で独特のぬめりがあり、保温性と保湿性に優れているのが特徴。生産量が少ないため高級素材となっており、こちらも羊毛にブレンドして使われることが多くなっています。
また耐久性に優れシワにもなりにくいポリエステルは、日常使いのスーツの生地としてよく使われる人気の素材となっています。
オーダースーツをつくるときに選ぶ生地には、多くの場合タグ(ネーム)と呼ばれるものがついています。ここにはブランド名だけでなく、産地や素材、ブランドごとのシリーズ名やコレクション名などが綴られています。
このタグの中で特に気にしておきたいのが「SUPER〇〇」の表示。後に続く数字が大きくなるほど繊維の細い糸を使っていることをあらわしており、SUPER100’sよりもSUPER120’sの方が細い繊維を使っていることになります。一般的に数字が大きくなるほど高級で着心地が軽くなるといわれていますが、繊維が細くなるほど生地が繊細で取り扱いが難しくなるともいわれています。
スーツを仕立てる際にこだわりポイントとして挙げられる生地ブランド。生産国やブランドごとの特徴も様々なので、人気ブランドをピックアップして紹介します。
糸の生産から生地づくりまで自社での一貫生産にこだわるロロ・ピアーナの極上スーツ生地の魅力について
スーツ生地の代表格でもあるロロ・ピアーナの生地で仕立てられたスーツ。極上かつラグジュアリーな風合いは、袖を通したときには快適な着心地となってあらわれます。そんなロロ・ピアーナのスーツだけが持つ魅力とはいったいどこからくるのでしょうか。その秘密についてご紹介します。
ロロ・ピアーナ(Loro Piana)の歴史や特徴、
オーダースーツに関する情報を詳しく見る
世界中のエグゼクティブから絶大な信頼を集めるエルメネジルド・ゼニアの魅力を探る
100年以上の歴史と伝統を持つ北イタリアの巨人ことエルメネジルド・ゼニア。世界のVIPたちからも信頼され、これまで多くの著名人やセレブリティを華々しく飾ってきた名門テキスタイルのブランドです。そんなゼニアが選ばれる理由を、その歴史や特徴とともにご紹介します。
エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)の
歴史や特徴、オーダースーツに関する情報を詳しく見る
アルプスの水がつくり出す良質な生地で知られるカノニコ(CANONICO)の魅力について
毛織物には欠かせない良質な水をアルプスに求め、イタリア・ビエラ地方に拠点を構えるカノニコ(CANONICO)。テキスタイルメーカーとしての歴史は非常に古いブランドです。そんなテキスタイルの老舗であるカノニコの魅力をご紹介します。
カノニコ(CANONICO)の歴史や特徴、
オーダースーツに関する情報を詳しく見る
フランスとイギリスを融合させたハイブリッドな仕上がりが魅力のドーメル(Dormeuil)について
クラシカルな表情なのにどこか洗練された雰囲気を持つ。それがドーメル(Dormeuil)の魅力です。フランスとイギリス、2つの国が持ち合わせたファッションの魅力を余すことなく取り入れたドーメルの特徴について解説します。
ドーメル(Dormeuil)の歴史や特徴、
オーダースーツに関する情報を詳しく見る
ベルギーに拠点を構えて80年以上の歴史を持つスキャバル(scabal)の魅力について
ヨーロッパ中の高品質なテキスタイルを集めるとともに、自社でも専用ミルをイギリスに置くなど、スーツ生地のさまざまなラインナップを取り揃えるスキャバル(scabal)。マーチャントであり生産者でもあるスキャバルの魅力についてご紹介します。
スキャバル(scabal)の歴史や特徴、
オーダースーツに関する情報を詳しく見る
日本のものづくり精神が今なお息づく御幸毛織(みゆきけおり)の魅力について
1905年創業という長い歴史と伝統を誇る御幸毛織(みゆきけおり)。明治時代に生まれた日本を代表する高級服地メーカーとして、その名前は国内外に知れ渡っています。そんな日本人なら知っておきたいスーツ生地の超老舗ブランドについて詳しくご紹介します。
御幸毛織の歴史や特徴、
オーダースーツに関する情報を詳しく見る